「かしらってどこの部位?脂っこい?」「焼きとんでよく聞くけど、実際美味しいの?」
そんな疑問に答える記事をお届けします!
やきとんや居酒屋メニューでよく目にする「かしら」。この言葉、実は単なる部位名ではなく、豚の特定の部位を指す“通”好みのキーワードなんです。
本記事では、
- 「かしら」とはどこの部位なのか?
- どんな味?歯ごたえ?どんな焼き方がおすすめ?
- 他のやきとん部位との違いや栄養価の比較
- 居酒屋でも家庭でも楽しめる“かしら”の魅力
…などなど、焼きとん「かしら」の魅力をあらゆる角度から深掘りしてご紹介します。
居酒屋ファンも焼きとんビギナーも、この記事を読めば“かしら通”に!
読み終わったらきっと「かしら」串が食べたくなるはずです。
かしらとはどんな部位?
「かしら」は焼きとんの中でも定番かつ根強い人気を誇る部位です。豚肉を使った串焼きのなかで「かしら」という名前は一見すると謎めいていますが、実は豚の頭部まわりの赤身肉を指しています。
焼きとん「かしら」の語源
かしらという名前の由来は、そのまま「頭=かしら」から来ており、頬(ほほ)やこめかみ、こめかみの裏側、時にはうなじ部分など、顔まわりの筋肉や肉をひとまとめにした呼称です。東京のもつ焼き文化において広まり、地方によっては呼び名が異なることもあります。
使用される動物と肉質の特徴
かしらに使われるのは基本的に豚肉です。豚の頬肉・頭部の筋肉は適度に脂が乗っており、筋繊維も粗くなく、火を入れてもパサつきにくいという特徴を持ちます。
赤身と脂のバランス
赤身80%、脂身20%ほどのバランスで構成されているため、口に入れるとしっかりとした噛みごたえと共に脂の旨味がじんわりと広がります。このバランスこそが、焼きとんにおける「かしら」の最大の魅力です。
よく似た部位との違い
「かしら」はタンやハラミ、ホホ肉とも混同されがちですが、それぞれ部位も味も異なります。以下の表で比較してみましょう。
部位 | 部位の位置 | 食感 | 脂の量 |
---|---|---|---|
かしら | 頭部・頬まわり | 弾力あり | 中程度 |
タン | 舌 | やや固め | 少なめ |
ハラミ | 横隔膜 | 柔らかめ | 多め |
ホホ肉 | 頬 | トロトロ系 | 多め |
精肉店での扱われ方
スーパーや精肉店では「かしら」と表記されていることは少なく、「豚こめかみ」や「豚の頭肉」として売られることが多いです。そのため一般家庭ではあまりなじみがない部位かもしれませんが、焼きとんの世界では定番中の定番と言える存在です。
かしら肉の味の特徴と食感
焼きとんの世界で「かしら」が重宝される理由には、その味と食感にあります。他のどの部位にもない独自の魅力が詰まっています。
歯ごたえのある食感の魅力
かしらの一番の特徴は、しっかりとした歯ごたえです。脂が過剰に含まれていないため、噛みしめるたびに肉の繊維を感じられるような弾力があります。焼くことでさらに旨味が凝縮され、表面はカリッと、中はジューシーな仕上がりに。
脂の甘みと赤身の旨味
脂身の割合が控えめながらも、かしらの脂は甘みが強く、噛んでいくうちにじわじわと溶け出します。赤身の部分には豚特有のコクがあり、豚肉本来の味を楽しみたい人にはぴったりの部位です。
タレと塩で味が変わる理由
かしらはタレ焼きと塩焼きのどちらにもよく合いますが、味の印象は大きく異なります。
- 塩焼き:赤身の風味がダイレクトに伝わる。さっぱり系。
- タレ焼き:脂の甘みとタレのコクが混ざり、ボリューム満点。
つまり、同じ「かしら」でも味付けや焼き方で全く違った表情を見せてくれるのです。
焼きとんで人気の理由
「かしら」が焼きとんの世界で高い人気を誇るのは、単なる味の良さだけでなく、食文化や経済性、調理特性など多くの要因が絡み合っています。
炭火焼きで引き出される香ばしさ
かしらの真価が最も発揮されるのは炭火焼きです。炭火の遠赤外線効果により、表面はカリッと香ばしく焼き上がり、中はしっとりジューシーなまま。加えて豚の脂が炭に落ちることで香りが立ち、食欲をそそる「燻し香」も生まれます。
居酒屋で定番となった背景
かしらは昭和の焼きとん文化において、もつ焼きと並び重宝された部位の一つです。内臓に比べるとクセが少なく食べやすいため、女性や初心者でも抵抗なく食べられることから居酒屋メニューの定番へと定着しました。
コスパとボリュームのバランス
肉質はしっかりしていながら価格は安く、肉厚に串打ちされることも多いため、「コスパが良くて食べ応えあり!」と感じる人が多い部位です。特に下町系大衆居酒屋では、ボリューム感と価格のバランスから選ばれる定番となっています。
かしらの栄養価とカロリー
かしらは肉としての旨味だけでなく、栄養面でも注目されています。「赤身」と「適度な脂」を併せ持つため、筋肉作りやダイエット中の方にも一定の支持があります。
タンパク質と脂質の比率
100gあたりの栄養成分(目安)は以下の通りです。
成分 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 約230kcal |
タンパク質 | 約17g |
脂質 | 約18g |
炭水化物 | 0g |
高タンパク・中脂質という構成で、エネルギー効率が良いのが特徴です。
ビタミン・ミネラルの含有
かしらにはビタミンB1やB2が豊富に含まれています。特にB1は疲労回復や糖代謝に関わる重要な栄養素で、日常生活で不足しがちな成分のひとつです。
- ビタミンB1:約0.6mg(100g中)
- ビタミンB2:約0.3mg(100g中)
- 鉄分や亜鉛なども微量含有
ダイエット中でも食べられる?
脂質はそれなりに含まれているため注意は必要ですが、「脂が乗っている割にさっぱりと食べられる」「1~2本で満足感が高い」などの声も多く、糖質制限中の人や筋トレ民からも支持を得ています。
美味しいかしらの焼き方
焼きとん「かしら」を最高に美味しく楽しむためには、焼き方と下ごしらえが非常に重要です。お店では炭火で職人が焼くことが多いですが、家庭でも工夫次第で十分美味しく仕上がります。
串打ちと下ごしらえのコツ
かしらは筋繊維がしっかりしているため、やや厚めにカットすると食感が活きます。ポイントは均一な大きさに切ること。火の通りを均一にすることでジューシーさが失われにくくなります。
- カットは2cm角程度が目安
- スジが多い場合は軽く包丁で筋切り
- 金串よりも竹串が香ばしさUP
タレ漬けと塩焼きの選び方
かしらは塩でもタレでも美味しくいただける珍しい部位です。
焼き方 | 特徴 | おすすめシーン |
---|---|---|
塩焼き | 肉の味が前面に出る。さっぱり。 | ビール・ハイボールに◎ |
タレ焼き | コク深く濃厚な仕上がり。 | ご飯・赤ワインとも相性抜群 |
火加減と焼き時間のポイント
強火で一気に表面を焼き固め、中火~弱火で中まで火を通します。両面それぞれ2~3分ずつが目安です。焼きすぎは固くなるため注意しましょう。
さらに美味しく焼くためのポイント:
- 焼く直前に塩を振る
- タレは2度漬け・3度漬けして香ばしさUP
- 肉汁が落ちないよう返しすぎない
おすすめの部位別食べ比べ
焼きとんを楽しむなら、部位ごとの違いを知ることが奥深さの鍵です。「かしら」を中心に、代表的な部位との食べ比べを紹介します。
ハラミ・タン・シロとの違い
やきとん定番部位との比較を以下にまとめました:
部位 | 部位の位置 | 味の傾向 | 食感 |
---|---|---|---|
かしら | 頭部・頬 | 脂と赤身の旨味 | 弾力あり |
ハラミ | 横隔膜 | 濃厚で柔らかい | ふんわり |
タン | 舌 | 淡白であっさり | コリコリ |
シロ | 大腸 | クセあり・濃厚 | もっちり |
食感と味わいの比較表
「かしら」は赤身と脂の絶妙バランス、そして歯ごたえのある弾力が魅力。他の部位に比べてクセが少なく、焼きとん初心者にもおすすめです。
飲み物との相性から選ぶ
焼きとんをより楽しむには、ドリンクとの相性もポイントです。
- かしら×ハイボール:脂を洗い流し、肉の旨味を引き立てる
- かしら×赤ワイン:タレ焼きとのマリアージュが最高
- かしら×レモンサワー:後味さっぱり、食が進む
複数の部位を注文して、食感や味わい、飲み物との組み合わせを楽しむのもやきとんの醍醐味です。
まとめ
本記事では、焼きとんで定番の「かしら」という部位について徹底解説してきました。
- 「かしら」は豚の頭まわりの赤身と脂のバランスが絶妙な部位
- 独特の食感と香ばしさがあり、焼きとんでは人気の定番
- タンパク質も豊富で、脂身も旨味に貢献している
- タレ・塩・焼き方で全く印象が変わる多彩な部位
また、ハラミやシロ、タンなどとの部位比較や味わいの違いを知ることで、やきとんの楽しみ方もより一層広がるでしょう。
今夜の晩酌は「かしら」串で決まり!ぜひあなたもその旨さを味わってみてください。