てっぽう|豚の希少部位を徹底解説!下処理・味・焼き方の完全ガイド

teppou_pork_intestines 豚肉全般知識

「テッポウってどこの部位? なんでそんな名前なの?」

ホルモン好きにはおなじみの「テッポウ」。

しかし、その正体を正確に知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?テッポウとは、豚の直腸にあたる部位で、噛みごたえのある独特な食感と、旨みが凝縮された味わいが魅力の内臓肉です。この記事では、そんなテッポウの基本情報から、おいしく食べるための下処理や調理法、さらには人気の焼きとん店や栄養価の詳細まで、徹底的にご紹介します。

特に、以下のような情報を知りたい方に最適です:

  • テッポウとは具体的にどんな部位なのか知りたい
  • 下処理や臭みの取り方を詳しく学びたい
  • 美味しい焼き方やおすすめ調理法を知りたい
  • カロリーや栄養価が気になる
  • どこでテッポウを食べられるか知りたい

内臓系のホルモンが苦手な人でも、テッポウは下処理と調理法次第で驚くほど美味しく仕上がります。この記事では家庭でも試せるプロの技も多数ご紹介していますので、最後までじっくり読んでいただければと思います。

テッポウとはどんな部位?

焼きとんのメニューなどで目にする「テッポウ」。その独特な名前から、初めて聞くとどの部位なのか想像しにくいかもしれません。しかし、ホルモン好きにとっては隠れた逸品として評価される豚の内臓部位のひとつです。

テッポウは、豚の直腸にあたる部位で、太く円筒状の形が「鉄砲の銃口」に似ていることから「テッポウ」と名付けられたといわれています。臭みやぬめりを感じやすい部位ではありますが、丁寧に処理を施すことで、弾力のある食感と濃厚な旨味が際立ち、焼きとんや煮込みなどにぴったりの素材へと変貌します。

テッポウの部位名の由来

「テッポウ(鉄砲)」という名称は、テッポウの形状が「鉄砲の銃口のように筒状であること」から来ているといわれています。これはその部位が腸の出口、すなわち直腸に該当するためです。また、他にも、焼いたときに「破裂音」がすることからという説もありますが、共通するのは形状や音が「鉄砲」=テッポウに通じる点です。

どこの部位にあたるのか

豚の大腸の先端部=直腸に位置します。これは人間の構造に例えると、まさに排泄直前の部分にあたるため、処理前は臭みやぬめりが非常に強い部位でもあります。そのため、食用にするには念入りな下処理が不可欠となりますが、丁寧に仕上げればクセは全く感じられず、独特の弾力とジューシーさが光ります。

豚のテッポウと牛のテッポウの違い

実は牛にも「テッポウ」と呼ばれる部位があり、こちらも直腸にあたります。構造的には同様ですが、牛の方がやや太くて肉厚であり、焼きよりも煮込み料理に使われることが多いのが特徴です。豚のテッポウは比較的薄めで柔らかく、焼きとんなどに適しています。

テッポウの見た目や質感

加熱前のテッポウは白っぽく、厚みがあり、少し縮れた形をしています。表面にはぬめりがあり、臭いも強め。そのため、しっかりと下茹でや塩もみ、湯引きなどで下処理を行うことが重要です。加熱後はプリプリとした弾力があり、表面は香ばしく、内側から脂がじゅわっと溢れ出します。

他のホルモンとの違い

テッポウはシロ(小腸)やガツ(胃)などの他のホルモン部位と比較して、脂の付き方と歯ごたえに明確な違いがあります。ガツのようなコリコリ感とも違い、シロのように柔らかすぎることもありません。中間的な“弾力とジューシーさの絶妙なバランス”がテッポウ最大の魅力です。

代表的なホルモン部位との比較
部位名 部位の名称 食感 主な調理法
テッポウ 直腸 プリッと弾力あり 焼きとん、煮込み
シロ 小腸 やわらかい 焼きとん、炒め
ガツ コリコリ 和え物、酢味噌

テッポウの味や食感の特徴

テッポウの魅力を語る上で欠かせないのがその独特な食感と旨みです。適切に処理されたテッポウは、弾力がありながらも噛み切れるほどの柔らかさを持ち、口の中で脂がじゅわっと広がる味わいが特徴です。表面は香ばしく焼け、中はモチモチとした食感。このギャップこそが、ホルモン好きの心を掴んで離さないポイントです。

噛みごたえと食感の魅力

一口目の印象はプリッ。しかし噛みしめていくと、徐々に強い弾力とジューシーな脂のうまみが広がります。他のホルモンとは一線を画すこの“弾むような歯ごたえ”は、焼きとんで焼かれたときに特に引き立ちます。薄くスライスせずに塊のまま串に刺すことで、その食感を最大限楽しむことができます。

ホルモン好きに愛される理由

ガツやハツなどのコリコリ系ホルモンと比べると、テッポウは脂のコクとモチモチ食感のバランスが絶妙で、「ホルモンの中でも一番旨味が強い」と感じる人も多い部位です。下処理さえうまくできれば、クセも少なく、脂の甘みとコクが強く感じられるため、酒の肴にもぴったり。特に焼酎やビールとの相性は抜群です。

焼きとんでの人気度

焼きとんを提供する居酒屋では、テッポウは“裏メニュー”のような存在として固定ファンに親しまれています。焼き台で香ばしく焼かれたテッポウは、塩味であっさり、タレ味で濃厚という、味付けの幅広さも人気の理由のひとつ。表面をパリッと焼き、中はトロッと仕上げるのがプロの技。最近では若者にもその味と食感が受け入れられつつあり、SNSでも「#テッポウ串」で話題になることも増えてきました。

  • 食感重視なら塩焼きがおすすめ
  • ご飯に合わせるなら甘辛タレ焼きが絶品
  • 低温でじっくり焼くとジューシーさアップ

また、テッポウはしっかり火を通しても硬くなりすぎないのが特徴で、ホルモン初心者にも食べやすいといえるでしょう。焼き加減と味付け次第で、いくらでも味変が可能な応用力の高いホルモンです。

テッポウの下処理と臭み取り方法

テッポウの魅力はその食感と旨味にありますが、一方でしっかりとした下処理をしなければ臭みが強く、食感も悪くなりがちです。特にこの部位は直腸ということもあり、処理が不十分だと臭みやぬめりが残り、料理全体のクオリティを大きく下げてしまいます。ここでは、ご家庭でも実践できる本格的な下処理方法を丁寧に解説します。

ぬめりや脂の落とし方

購入後のテッポウは、まず流水で表面の汚れを洗い流すことから始めましょう。その後、以下の手順で下処理を行います。

  1. 塩をふってもみ洗い:脂やぬめりを浮かせる効果があります。
  2. 小麦粉または片栗粉でもみ込む:粘着質な汚れや臭いの元を吸着して除去。
  3. 熱湯をかけて湯引き:表面の脂やぬめりをさらに落とします。

これらをセットで行うと、テッポウ特有の臭みやぬめりが大幅に軽減されます。

湯引き・塩もみ・下茹での手順

特に下茹では重要な工程です。沸騰したお湯に生姜・長ねぎ・酒を加え、そこにテッポウを入れて10〜15分ほど煮込みます。これにより内側からも臭みを抜き、脂も適度に落ちて旨味だけが残るようになります。ポイントは、茹ですぎないこと。柔らかさとプリプリ食感を両立させるために、加熱時間は必ず守りましょう。

臭みを消すためのコツ

臭みを取るには「下処理」だけでなく、「香味野菜」と「下味」の使い方も鍵になります。たとえば以下のような工夫が有効です:

  • 下茹でに酒・生姜・ねぎを使う:臭いの中和に有効。
  • 下味に味噌やにんにくを活用:焼きとんの際は漬け込むと効果大。
  • タレ焼きの場合は濃い目の甘辛ダレが相性◎

しっかり処理を施すことで、テッポウのクセは驚くほど抑えられ、初心者でも美味しく食べられる一品になります。

テッポウ下処理の流れまとめ
工程 内容 目的
塩もみ 塩で表面をしっかり揉む 脂・臭みの軽減
小麦粉もみ 小麦粉や片栗粉で揉み込む ぬめり・粘着質除去
湯引き 熱湯をかけるまたは湯通し 表面殺菌と脂の除去
下茹で 酒・生姜・ねぎで煮る 内側からの臭み取り

テッポウのおすすめ調理法

テッポウはその食感と脂の旨味を活かすことで、家庭でもプロの味に近づけることができます。特に焼きとん煮込み、炒めものといった調理法が人気です。下処理をしっかり施したテッポウは臭みがなく、味付けの自由度も高いので、さまざまなメニューに応用できます。

焼きとんや串焼きでの焼き方

焼きとんにする場合は、テッポウを一口大にカットし、竹串に刺して焼き台で中火~強火でじっくり焼き上げるのがポイントです。焼きすぎると硬くなるため、表面がカリッと香ばしくなったタイミングで裏返し、合計5~6分程度で焼き上げましょう。

味付けはシンプルに塩で素材の旨味を引き出すのも良いですが、以下のような自家製タレとの相性も抜群です:

【簡単タレレシピ】
・醤油:大さじ2
・みりん:大さじ1
・酒:大さじ1
・砂糖:小さじ2
・にんにく・しょうがすりおろし:少々
→軽く煮詰めて串に塗りながら焼く

煮込み・炒めものにも活躍

テッポウは焼くだけでなく、煮込みや炒めものにも最適です。特に味噌煮込みはテッポウの旨味を最大限に引き出す調理法のひとつで、以下のような手順で作れます。

  1. 下処理済みテッポウを一口大に切る
  2. 鍋にだし汁を入れ、味噌・酒・みりん・砂糖で味付け
  3. こんにゃく・大根・ネギなどと一緒に30分以上煮込む

こうすることで、テッポウの脂が溶け出し、全体がまろやかな味に仕上がります。

味付けとタレの相性

テッポウは下味を付けるだけでも美味しくなります。特におすすめなのは以下のような味付け:

  • 塩+ごま油:韓国風でシンプルな酒のつまみ
  • 味噌だれ:煮込み系にぴったりの甘辛風味
  • 甘辛しょうゆ:焼きとんの定番タレ

また、七味唐辛子や柚子胡椒などの薬味を合わせることで、後味がさっぱりとし、いくらでも食べられる印象になります。こうした小さな工夫が、テッポウの魅力を最大限に引き出します。

テッポウのおすすめ調理法と相性表
調理法 味付け おすすめ薬味
焼きとん 塩・甘辛だれ 七味・柚子胡椒
煮込み 味噌・しょうゆ 生姜・にんにく
炒めもの 味噌炒め・ポン酢和え 万能ねぎ・白ごま

テッポウの栄養価とカロリー

テッポウは豚の内臓部位であるため、脂質やたんぱく質、ビタミン、コラーゲンといった多様な栄養成分が含まれています。一見するとカロリーが高そうに見えますが、実際の数値を見てみると意外な一面も。ここでは、テッポウの栄養バランスを数値で紐解き、どんな人に向いているかを解説します。

カロリーと脂質のバランス

テッポウのカロリーは、100gあたり約230〜250kcalほどとされています。これはシロ(小腸)やレバーと同程度。脂質が多く含まれるため、ダイエット中には量に注意が必要ですが、その分コクと旨味は非常に濃厚です。

ホルモン部位のカロリー比較(100gあたり)
部位 カロリー 脂質 特徴
テッポウ 240kcal 20g前後 脂の甘みが強く、プリプリ食感
シロ(小腸) 260kcal 23g 脂たっぷりでとろける
ガツ(胃) 120kcal 4g 低脂質であっさり

コラーゲンやたんぱく質量

テッポウにはたんぱく質が約12g/100g程度含まれています。加えて、コラーゲンが豊富に含まれており、美肌や関節の健康を意識する人にも注目されています。特に煮込み料理ではこのコラーゲンが煮汁に溶け出し、栄養価がさらに高まります。

  • たんぱく質:12.5g/100g
  • 脂質:20g/100g前後
  • コラーゲン:高含有(数値非公開)

ダイエット中でも食べられる?

結論から言えば、適量であれば問題なしです。脂質はやや多めですが、テッポウは腹持ちが良いため、満足感を得やすいのが利点。また、焼きとんにすれば余分な脂は落ち、味わいを保ったままヘルシーに仕上がります。さらに、低糖質である点も注目されており、糖質制限中の方にも向いています。

ダイエット中におすすめの食べ方は以下の通り:

  • 塩焼きでシンプルに
  • ポン酢和えでさっぱりと
  • 野菜と一緒に煮込むことで脂を吸収・バランスを取る

テッポウは「高脂質=NG」と思われがちですが、栄養価の高さと満腹感を活かせば、日々の食生活にも十分取り入れられる存在なのです。

テッポウが食べられる人気店

テッポウは家庭での調理も可能ですが、やはり本格的な焼きとんを楽しむなら専門店で味わうのが一番。下処理と焼きの技術が問われるこの部位は、腕の良い焼きとん職人の手にかかると、驚くほどジューシーで香ばしい逸品に仕上がります。ここでは、テッポウが美味しいと評判の名店をいくつか紹介します。

東京で味わえる専門店

テッポウを扱う焼きとん店の激戦区といえば東京・赤羽や大塚・高円寺などの下町エリア。たとえば以下のような店舗ではテッポウが名物として提供されています:

  • もつ焼きばん(中目黒・五反田):串焼きの火入れが絶妙で、テッポウの弾力と脂の旨みが楽しめる。
  • 秋元屋(野方):都内屈指のもつ焼き店。テッポウの塩焼きが常連の定番。
  • 焼きとん大地(大塚):炭火焼で丁寧に仕上げるスタイルで、テッポウがジューシーに。

焼きとん居酒屋の名店

テッポウは居酒屋文化とも深く結びついており、もつ焼き・焼きとんの老舗には必ずといっていいほど取り扱いがあります。特に以下のような居酒屋では、タレ・塩両方の味付けを楽しめる点が魅力です。

  • 池袋「串焼き しんちゃん」:味噌ダレで煮込んだテッポウが絶品。
  • 浅草「もつくし」:希少部位のテッポウを炭火で丁寧に焼く。
  • 大井町「武蔵屋」:コリコリ・ジュワッのテッポウが名物。

通販・お取り寄せできる?

最近では、テッポウを冷凍や真空パックで販売している通販サイトも増えています。これにより、地方に住んでいても自宅で本格ホルモンを楽しめるようになりました。

例えば以下のようなショップが人気です:

  • 楽天市場「ホルモン専門 八百吉」:下処理済みのテッポウが手軽に購入可能
  • Yahoo!ショッピング「肉の卸問屋アオノ」:焼肉用として人気のテッポウパックを販売
  • 公式通販「芝浦食肉市場の味」:業務用品質のホルモンを個人向けに展開

通販の場合は、調理前の「完全未処理品」か、「ボイル済み」「味付き」などを確認して購入するようにしましょう。未処理品を選べば自分で下処理・調理のアレンジが自由に、味付きなら手軽に焼いて楽しめます

外食で職人の技を味わうもよし、自宅で自分流に調理するもよし。テッポウは、食の奥深さと自由さを教えてくれる部位のひとつです。

まとめ

豚のテッポウは、その独特のネーミングと希少性から、知る人ぞ知る人気ホルモン部位として多くの焼きとんファンに愛されています。部位の正体は「直腸」であり、下処理がやや手間ですが、しっかりとぬめりや脂を落とし、臭みを取ることで、プリッとした食感と濃厚な旨みが際立ちます。

調理方法も幅広く、焼きとん・煮込み・炒め物など様々なスタイルで楽しめます。特に焼きとんでの塩焼きや甘辛いタレ焼きは、ビールやハイボールとの相性も抜群。カロリーや脂質が気になる方も、適切に処理すれば意外とあっさり楽しめる部位です。

また、都内を中心にテッポウを名物とする焼きとん店も多く存在し、ホルモンの奥深い世界を体験できる入口としてもぴったりです。通販や冷凍での取り寄せにも対応している店舗も増えており、自宅での調理にもトライしやすいのも魅力です。

テッポウの世界は、一度知ると深くハマる奥行きがあります。この記事が、その魅力に触れる第一歩となれば幸いです。