焼きとんの定番メニューで見かける「シロ」。
名前は聞いたことがあっても、実際にどの部位なのか、どんな味がするのかを正確に知っている人は少ないかもしれません。
本記事では―
- シロの正確な部位と名称の由来
- 他のホルモンとの違い
- 焼きとんでの人気の理由
- 栄養成分やカロリーの特徴
- おすすめの調理法や購入先
といった内容を網羅的に解説していきます。
部位を知ることで、より深く焼きとんを味わえるようになる。
そんな「通」な楽しみ方を提案できるよう、この記事ではシロに関する情報を丁寧にまとめました。初心者の方からホルモン好きの方まで、ご自身の食スタイルに役立てていただける内容です。ぜひ最後までご覧ください。
シロとは?部位の特徴と呼び方の違い
焼きとんでよく見かける「シロ」は、一見すると「白い部位なのかな?」と思わせるネーミングですが、実はそう単純ではありません。
シロの語源と由来について
「シロ」という名称の由来は定かではありませんが、一般的には豚の大腸または小腸を指すことが多いです。その色味から「白もつ」と呼ばれ、それが「シロ」と略されたという説もあります。
地域によっては同じ部位でも違う呼び方をされており、「テッポウ」「マルチョウ」など、独特の呼称が根付いています。
シロ=腸のどこ?実際の部位とは
シロは基本的に大腸(直腸)または小腸を意味します。大腸は太くて厚みがあり、噛みごたえと脂の旨みが特徴。一方、小腸(特にマルチョウなど)は脂が多くジューシーです。
部位 | 呼び名 | 特徴 |
---|---|---|
大腸 | シロ、大腸 | 脂は控えめ、もちもち感が強い |
小腸 | マルチョウ、コプチャン | 脂が多くてとろける味わい |
ホルモンとの違いと分類の整理
「ホルモン」という言葉は、内臓全般を指すため、シロもその中に含まれます。ただし、焼肉や焼きとんではシロはシロとして独立して提供されることが多く、ガツやハツなどとは分けて考えられています。
地域による呼び方の違い
- 関西圏:テッチャン、コテッチャン
- 関東圏:シロ、大腸
- 九州:丸腸(マルチョウ)
同じ部位でも名称が異なるため、旅行先で食べる際には注意が必要です。
シロの中でも「大腸」「小腸」の違い
食感や味わい、脂の乗り具合は「大腸」と「小腸」で大きく異なります。焼きとんでよく使われるのは、比較的クセが少ない大腸。一方、小腸は焼肉店での提供が多い傾向があります。
焼きとんに使われるシロの魅力
焼きとんメニューにおいて、シロは圧倒的な人気を誇る定番部位。その理由には、食感・味・コスパといった複数の要素が関係しています。
食感と風味の特徴
シロはもちもちとした独特の食感が魅力で、脂が程よく乗っており、噛むほどに旨みが広がります。パリッと焼いた外側との対比も楽しめるのが醍醐味。
焼きとんでは「塩で素材の味を楽しむ」「タレで香ばしさを加える」など、提供スタイルも多彩です。
定番の下処理と臭み取り方法
内臓系特有の臭みが気になる方も多いかもしれませんが、以下の処理でかなり軽減できます:
- ぬるま湯と塩でよく揉み洗いする
- 下茹でしてアクと脂を抜く
- ニンニクやショウガで下味をつける
焼きとん屋でのシロの人気度
どの焼きとん店に行っても、シロは定番中の定番。以下のような理由で人気があります:
- 価格が安く手軽に楽しめる
- ビールとの相性が抜群
- 脂の旨みがクセになる
特にタレ焼き+七味は、常連客のリピートが多い鉄板の組み合わせです。
シロの栄養成分とカロリーは?
シロは内臓肉の一種ですが、単なるジャンクフードではなく、栄養面にも注目すべきポイントが多々あります。
カロリー・脂質のバランス
シロ(豚の大腸)は、部位によって異なりますが、100gあたり約250~300kcal前後と、意外と高カロリー。脂質も多めですが、エネルギー源としては優秀です。
栄養素 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
エネルギー | 約260kcal |
脂質 | 約20~24g |
たんぱく質 | 約11~14g |
コラーゲンやビタミンの含有量
特筆すべきは、コラーゲンの豊富さです。皮膚や関節を構成するこの成分は、美容や加齢対策にも有用。また、ビタミンB群も多く、疲労回復や代謝アップに貢献します。
ダイエット中の注意点
脂質が多いので、食べ過ぎには注意。ただし、適量ならば脂肪燃焼に必要なビタミンB2やB6も摂れるため、摂取のタイミングと量が鍵になります。
シロを美味しく焼く方法
家庭でもシロを美味しく焼きたいなら、下処理と焼き加減に注意が必要です。コツさえ掴めば、焼きとん屋顔負けの味に近づけます。
下ごしらえで差が出る
以下のようなステップを踏むことで、臭みが取れ、焼いたときの風味が格段に向上します:
- 酢水または塩水でしっかり洗う
- 中火で茹でてアクと脂を取る(10分目安)
- キッチンペーパーで水分を丁寧に拭く
焼き加減のポイント
網焼きやフライパンでも調理可能ですが、最も重要なのは火加減です。
表面がカリッと仕上がるように中強火→弱火と火力を調整することで、外は香ばしく中はふっくらに仕上がります。
タレと塩、どっちが合う?
シロはどちらでも相性抜群ですが、下処理を丁寧にしている場合は塩、少し風味を足したいときは甘辛いタレがおすすめです。
最近は、コチュジャン風味やスパイス塩など、多彩なアレンジも注目されています。
シロと他のホルモンとの違い
ホルモンには多くの種類がありますが、シロは特に食べやすさと親しみやすさが際立っています。ここでは他のホルモンとの違いを整理します。
ガツやハツとの違い
部位 | 食感 | 味の特徴 |
---|---|---|
シロ(腸) | もちもち・ぷりぷり | 脂が程よくコクがある |
ガツ(胃) | コリコリ・やや硬め | あっさりした風味 |
ハツ(心臓) | シャキッと柔らかい | 鉄分のコク、クセは少なめ |
食感・風味の比較
シロは噛みしめるたびに脂の旨味がにじみ出てきます。ガツやハツは歯切れが良く、さっぱり感があるため、脂っこい部位が苦手な人にはそちらの方が向いています。
調理法の適性の違い
- シロ:焼きとん・もつ煮込み・串焼き
- ガツ:茹でて酢味噌和え・ナムル
- ハツ:網焼き・炒め物・レバニラ風
脂の強さと食感の好みで選ぶと、食べ方の幅もぐっと広がります。
シロを扱うおすすめ店・通販紹介
最近は焼きとん店のみならず、通販でも気軽にシロが購入できるようになりました。ここではその魅力と活用方法を紹介します。
人気の焼きとん専門店
- 東京・赤羽「まるます家」:タレ焼きのシロが絶品
- 大阪・天満「天満酒蔵」:塩焼きシロで酒が進む
- 名古屋「やきとんや」:味噌だれとの組み合わせが人気
通販で買えるシロ商品
冷凍パックや味付き加工済みのものが増えており、家庭でも手軽に楽しめます。特に以下の商品が人気:
- 国産豚大腸シロ(200g):下処理済でそのまま焼ける
- タレ漬けシロホルモン(500g):味付け済みでおつまみに最適
- コラーゲン入り味噌煮込み用シロ:煮込むだけで居酒屋の味
家庭調理に向くおすすめ部位
初めてシロを扱う方には、下処理済み・味付きタイプが断然おすすめ。調理も簡単で失敗しづらく、すぐに本格的な味が楽しめます。
また、シロをメインにした家庭料理では「もつ鍋」や「焼きうどん」へのアレンジも人気です。
まとめ
焼きとんの「シロ」は、豚の大腸や小腸に該当する部位であり、地域によっては呼び方に違いがあったり、ホルモン全体の中でも特にクセが少なく食べやすいと評判の部位です。
シロの最大の魅力は、
- 独特のもちもち食感
- 脂の旨みとコリッとした歯ごたえ
- タレ・塩どちらにも合う万能さ
また、カロリーは決して低くはありませんが、コラーゲンやビタミンも豊富に含まれているため、美容や栄養面でも魅力的な部位です。
焼きとん店でのシロ人気の理由は、
- 低価格で食べられる
- 酒に合う味わい
- 脂が乗りすぎず適度なコク
通販でも手軽に購入できるようになった現在では、家庭での調理も広がりを見せています。
ぜひこの記事を参考に、「シロ」の奥深い世界を堪能し、より楽しく焼きとんを味わってみてください。